
サン・ドニ祭壇画

中世フランスでは「使徒言行録(使徒行伝)」のディオニシウス・アレオパギタはアテネからガリアへ行き、初代パリ司教となって司祭ルスティウス、助祭エレウテルスとともにモンマルトルで殉教したと信じられていた。
ディオニシウス(聖ドニ)はフランス王国の守護聖人として崇敬され、サン・ドニ修道院は王家の墓所とされていた。フランス王の弟だったブルゴーニュ公は墓所として造営したディジョン近くシャンモールのカルトゥジオ会修道院聖堂祭壇画に聖ドニの物語を選んだらしい。
金地の背景中央に「恩寵の座」による三位一体、左に処刑前夜のキリストによる聖体拝領、右に処刑の場面。同行の一人は首を落とされ、司教冠の聖ドニの首に斧が振り下ろされようとしている。右には両手を縛られたもう一人の同行者。
ディオニシウス(聖ドニ)はフランス王国の守護聖人として崇敬され、サン・ドニ修道院は王家の墓所とされていた。フランス王の弟だったブルゴーニュ公は墓所として造営したディジョン近くシャンモールのカルトゥジオ会修道院聖堂祭壇画に聖ドニの物語を選んだらしい。
金地の背景中央に「恩寵の座」による三位一体、左に処刑前夜のキリストによる聖体拝領、右に処刑の場面。同行の一人は首を落とされ、司教冠の聖ドニの首に斧が振り下ろされようとしている。右には両手を縛られたもう一人の同行者。
アンリ・ベルショーズは1415年に死去したマルエルの後ブルゴーニュ家に仕えた画家。公の支払い記録から1416年にこの祭壇画がベルショーズによって完成したことがわかる。
作品の制作過程はわかっていない。マルエルとの共作説もあったが、様式的統一性からベルショーズ単独制作とされている。右側の死刑執行人とその背後の異教徒たちの表情に写実に基づく個性表現の意図が見られる。
世界美術大全集10 ゴシック2 1410年代
サン・ドニ祭壇画
ベルショーズ
1416年 板(カンヴァスに移行) 162×211cm
フランス パリ ルーヴル美術館
作品の制作過程はわかっていない。マルエルとの共作説もあったが、様式的統一性からベルショーズ単独制作とされている。右側の死刑執行人とその背後の異教徒たちの表情に写実に基づく個性表現の意図が見られる。
世界美術大全集10 ゴシック2 1410年代
ベルショーズ
1416年 板(カンヴァスに移行) 162×211cm
フランス パリ ルーヴル美術館